ぴかまく公論 DNAチップの表面処理

2010 年 3 月 21 日

DNAチップの表面処理について

株式会社日本パーカーライジング広島工場

 当社では、DNAチップ用基板の販売とそれを使用した遺伝子診断用DNAチップの開発を行っています。DNAチップとは、細胞などの遺伝子発現量を測定するため、多数のDNA断片をガラス、シリコン等の基板に高密度に配列した分析器機です。これに、検体のDNAを反応させると、固定したDNAと相補的なDNAのみが結合、それを蛍光や電流で検出し、検体にどんな遺伝子があるのかを調べます。

 ガラスやシリコンは、そのままではDNAを固定することができませんので、それらの基板にはDNAが固定できるような表面処理が行われています。DNAチップは、DNAと基板との結合状態により、静電結合タイプと共有結合タイプとに分けられます。静電結合タイプの基板は、シランカップリング処理や樹脂コーティングなどにより表面がアミノ基になるような処理を施します。基板のアミノ基は陽イオン、DNAは陰イオンであるため、基板とDNAが静電的に固定化します。共有結合タイプの基板は、樹脂コーティングや化学修飾等の方法で基板表面を活性化エステルになるようにします。基板の活性化エステルとDNA分子中のアミノ基が反応し、基板とDNAが共有結合で固定化します。結合の強さは、静電結合より共有結合のほうが強いため、共有結合タイプのチップのほうが、基板からDNAが剥離しにくいです。

 当社が販売している基板は共有結合タイプで、ガラスやシリコンにDLCをコーティングしDLCの炭素に活性化エステルを化学修飾させたものを使用しています(下図参照)。特長としては、樹脂コーティングのものと比較して活性化エステルの密度が高いのでDNAが高密度に固定できるので、感度が良いことや、DLCの密着性が高いことから、DNAの剥離がおこりにくいという特長があります。

 当社では、この基板を使って、診断用のDNAチップの開発も進めています。