2010 年 10 月 10 日

関西機械要素展に出展しました

10月6日~8日にかけて開催された関西機械要素展にぴかまくモールメンバーが3社出展いたしました。写真でご紹介。
一つでもご縁がつながり、ぴかまくモールの一押し技術が採用されれば幸いです。

 倉敷ボーリング機工ブース     オーエム産業ブース          SEP技研
  

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ぴかまく公論 溶射の位置づけ

2010年10月5日
倉敷ボーリング機工株式会社
田尻さや香

3回目の登場となります。表面処理の中でも溶射加工とそれに付随する精密機械加工を行っている倉敷ボーリング機工(株)です。このぴかまく公論を通じて、多くの方に溶射コーティングの可能性をお伝えできたらと考えています。

「技術」というと、一般的には経験・カンによってのみ伝承される世界か、あるいは大学などで研究し深められるような学問的な世界かのどちらかのイメージをもつことが多いと思います。今回は、溶射技術がどの様な世界なのかについてお話ししたいと思います。

■匠の技術と課題
これまで、溶射加工・技術に貢献した方へ黄綬褒章が授与されております。当社にも、黄綬褒章受章者が1名おり、黄綬に先立ち「現代の名工」を受賞したこの匠は、60歳を越えても現役で活躍しています。形状の複雑な機械部品は手盛りにて、まさに職人技で溶射を行います。特に、自溶性合金の溶射を得意としています。何でも一人で簡単にぱっと加工してしまうスーパーマンなのですが、この「現代の名工」の技能の伝承が非常に難しいのです。座学はテキストを使って腰を落ち着けて行いますし、長年の経験と勘に裏打ち割れた感覚・手際の良さは、ビデオ撮影して何度も見返していますが、はやり自分がするとなると若手社員はお手上げになるとか。現場力の向上、よりも現場力の維持が重要命題になっている今日この頃です。
※自溶性合金の溶射…溶射被膜形成後に被膜を適当な温度で再加熱して合金化させる加工
  
2008年11月10日 岡山放送の1コマ(自溶性合金の溶射)

■匠を養成するには
現代の名工への第一のステップとして一般的に知られているシナリオが、技能士です。ご存知の通り、製造を営む企業や生産に携わる社員は、その技能の習熟度を証明するため、技能検定制度の一種である技能士の取得を目指します。当社も社内教育を充実させ、多くの社員が技能士となるよう教育訓練を行っております。都道府県知事が実施している、学科と実技の試験にいずれも合格することが必要です。溶射技能士では、一般的な溶射知識と電気に関する知識、安全衛生の知識が必要となります。日頃行っている作業ではありますが、学問的に学ぶとなると一苦労です。実際には防食溶射作業と肉盛溶射作業の2種類に分けられています(いずれも単一級)。当社では現在のところ、30代にていずれの技能士も取得できるようOJTに力を入れています。

また、加工を担当する社員だけでなく、広く溶射知識を活かせるよう溶射管理者や営業・一般管理業務担当者向けの資格もあります。大学等の研究者が多く参加する日本溶射協会が主催の、溶射管理士という資格です。この位置づけは、「溶射技能士」と調和してJISに規定する品質を持つ溶射製品が生産できる方、溶射製品の生産を管理し、信頼できる製品を作るための責任者となっています。防食、セラミックス、金属、サーメットの各材料について「溶射管理士」の資格が認定されます。学科試験のみですが、5つの基礎科目(溶射総論、製図、材料工学、品質工学、安全衛生)と種目毎の3つの専門科目(特性/応用事例、材料/溶射法、試験検査法)の全ての合格が必要となります。さらに、3種以上の材料について管理士資格を取得した方には上級管理士と言う資格が与えられます。

■高度な技術開発に向けて
「溶射」技術がH19年度に国の特定もの作り基盤技術として指定され、溶射技術を基盤技術とした研究開発を国が事業者に委託することとなりました(2009年7月のぴかまく公論で紹介)。当社はH19年にこの特定研究開発等計画を経済産業大臣に承認頂きましたが、この度、H22年に3年越しで、本計画が事業委託を受けることになりました(戦略的基盤技術高度化支援事業)。
   
中国経済産業局のHPより(http://www.chugoku.meti.go.jp/chiikikeizai/sup_ind/index.htm

冷や汗ものの厳しいヒアリングや発表を乗り越えての念願の採択です。優遇税制など様々な特典付きの支援事業ですが、特にその他の助成金と違うのは、研究開発に要する費用の合計が3年間で最大9,750万円と高額なことです。国が研究開発に対してサポートしてくれる素晴らしい制度です。ますます、研究・開発を研鑚し、単に技術を高度化していくだけでなく、この研究・開発した技術にて産業界の問題解決に広く繋げていきたいと思っています。

■匠の技から学問的研究に及ぶ溶射技術
このように、溶射は、その50年を越える歴史の中で、職人技の世界だけでなく学問としての工学分野まで幅広く網羅した表面処理技術です。最先端というにはおこがましいかもしれませんが、あらゆる産業向けにソリューションを提案できる溶射技術の底力は、この職人技から学問的研究までの広い領域をカバーすることで実現できる奥の深い技術である。

これからも倉敷ボーリング機工の匠の技術にご期待ください。
 

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