ぴかまく公論 軸肥大加工に基づく造型加工

2009 年 10 月 17 日

高周波熱錬株式会社
西部営業所 井本 義人

高周波誘導加熱は、電気加熱である二酸化炭素排出量が少なく環境に優しいこと、および連続処理による効率的な設備稼働が可能です。
高周波誘導加熱による高周波熱処理(焼入れ・焼戻し)は、加熱面では、急速加熱、表面加熱、部分加熱という特徴を持ち、熱処理面では急速+短時間過熱を基本とするため、その前工程(加工・熱処理)の影響を受けやすい。ただ、その影響の状態と前後工程をスルー(一気通貫)に見て、特に加工工程とのコラボレーションを前向きに考えれば、技術・品質面だけでなく、コスト面でもプラス効果が得られる可能性が高いといえます。

 その中で今回は『軸肥大』拡径加工法を紹介します。
愛媛大学との協同で開発した『メカニカルラチェット現象』により、軸物の中間部に太径部を冷間成形できる加工方法です。図1のような基本原理で、軸物を両側からスリーブで挟みこんで回転させながら片方の非固定チャッキング装置を数度傾けて押し込むことによって、軸の中間部に太径部を容易に創成します。

図1 軸肥大加工法の模式図

 同じ太径部を加工する場合、切削加工に比べて切削くずが出ず、温度はほとんど上がらず、比較的短時間で加工できることから、省資源・省エネで環境に優しく、かつ低コストな加工法として注目されています。図2に軸肥大加工事例を紹介します。

                      図2 軸肥大加工事例

ネツレンでは受託加工と試作開発を進めるとともに愛媛大学と協同で、さらなる加工技術開発と対象材料の拡大を目指して研究開発を進めています。

 昨今の大きな景気変動の裏側で、世界的なものづくり体制も動き始めているものと推測します。その変動の中で、日本のものづくり企業がしっかりと生き残っていくには、言うまでもなく「世界をリードする優れた技術力・品質管理力」の維持発展が必要不可となります。これを実現するには、専業メーカーとしては個々の保有技術をさらに熟成発展させるとともに、部品製造工程を一気通貫に見た工程間コラボレーションにも積極的に目を向け総合的な改善改良・開発とコストダウンを目指す必要があると考えます。
 

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